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ころんは毎週毎週、店を疎かにしてまで品評会に参加した。結果は三位、四位とうまくチケットがたまらず、結局四ヶ月程もかかってしまった。
そして、ようやく手に入れた念願の執事雇用許可証。
ころんはそれを握り締め、直ぐ様パティシエ協会へと足を運んだ。
会場へ到着すると、沢山の執事候補が自らの履歴書と書類の束を持って横一列に並んでいた。実はこの世界には『亜人』と呼ばれる人種がおり、本来の動物の姿と人間の姿、両方に変身できる種族や、オークやゴブリンといった不思議な容姿を持つ種族が多数存在するのだ。彼らの寿命は基本的に人間の五倍はある。身体能力や知能も種族によって長所が異なる。年齢は様々だったが、力仕事も多い為執事は皆男性だった。
ハムスターやネズミの亜人はまるで少年の様に可愛らしい。小さな耳をぴくぴくさせながら落ち着かない様子だ。
猫の亜人は大きな猫耳に尻尾。蛇の亜人や猫の亜人は小麦粉等を狙う鼠を捕る術を持っている。
犬の亜人は種類によって反応が様々。大人しく立っているシェパードから、尻尾を振り回す柴犬まで…勿論、人間の執事もいる。
ゴブリンやオークは怒りっぽく知能が低いが、執事学校を卒業しているのだから、ある程度は大丈夫だろう。それに彼らは力と体力に優れている。メイジゴブリンと呼ばれる魔法使いのゴブリンは、非力だがその魔法で助けてくれる事だろう。
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