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「こんなにたくさん居たら、悩んじゃうなぁ…」
悩むころんに、案内係が声をかけた。
「試験雇用も可能ですよ。何日か働いていただいて、ご自分と合わなければ別の方に変える事も出来ます。正式採用は書類手続きが完了してからですので、ご安心下さい。」
「おぉ、それはありがたい!じゃあ、あの面白そうな亜人さんを試験雇用します!」
ころんが指したのは、茶虎猫の若い亜人だった。常にそわそわ、耳も尻尾もぴくぴく。見ていて飽きない、それだけの理由だった。
しかし、いざ数日店で働かせてみると、オーブンの掃除はするものの、日当たりのいい客席で昼寝はするわお裾分けに預けたスイーツをつまみ食いするわ、木の椅子で爪を研ぐわ…注意をしても知らん顔。これではお話にならなかった。
「落ち着いた執事さんにしよう…」
茶虎猫の亜人を返すと、今度は真剣に執事選びを始めた。
落ち着いた感じの…人間のおじさん?おじいさん?もいいなぁ。エルフさんもすごく大人しくて頭がいいって聞くし…
ころんはゆっくりと歩きながら一人一人を見ていった。
「…ころん様!」
急に、執事候補の一人に呼び止められた。
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