退屈

2/7

9人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
【2005年 4月26日】 某金融会社 赤ジャージの男と黒いスーツを来た男がイスに座り、机を境に向かい合っている。 「では、此方に署名捺印お願いします」 黒いスーツの男の名は相川真一、18歳で入社し五年間勤めている、前年度は社内業績トップに立つ。社長からは一目置かれているが、何故か社員には好かれていないようだ。 相川が手慣れた手付きで客と契約を交わし終える。相川が自分のデスクに戻るため、窓口を立つと、合わせたかのように赤ジャージを着た客が席を立つ。 ギィーと音を立てながら、先刻潜った扉を開ける。 金を借りた客が、事務所を出たのを確認してなのか、部下である山本が近寄ってくる。 山本は、今年度入社してきた新入社員である。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加