幼馴染み

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この爆音も、いつも亜理名と半分こだった。 今は僕1人でLR両方のイヤホンを占領してる。 それが堪らなく寂しかった。 「あー。今日は俺が一番乗りじゃないー!!」 聞き慣れない声が聞こえる気がするけど…誰だっけ? 突っ伏してるから声の主は確認できないし、する気力もない。 「ねぇ、ねぇ。か…き…喜多さんだっけー?」 声の主は僕の肩をトントン叩く。 …放っといてくれ。 「喜多さーん!ねぇ、寝てるのー?ねぇ、喜多さん!」 …うっさい。 「喜多さんが一番乗りなのー?ねぇ、ねぇ!」 「…うっさいわ!!センチメンタルな気分に浸ってんのに放っとけないのか!?お前は!!空気読めや!!」 僕は声の主を睨み付けて大声で怒鳴った。 …やってしまった。
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