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昼食はうどんだった。
ばあちゃんはとろろ昆布と梅干し、私は天かす、半裸男には玉子をのせ、それぞれ好みのうどんをカスタマイズする。
おかずには、昨日の残りのきんぴらごぼうとほうれん草のおひたし、海苔の佃煮が並べられた。
半裸男の前にはご希望の酒を、とりあえず一升瓶を1本置いておく。
ばあちゃんと私だけとはいえども、女しかいない所帯でいつまでも半裸でいられても困るため、お父さんのTシャツを着てもらった。
半裸でボロい袴しか履いてないから分からなかったが、以外なまでの整った体格に少し驚いた。身長も高いし脚も長い。やや細身だが、適度に筋肉も付いて全体的に引き締まっている。
髪はボサボサだけど、面長で彫りの深い、整った顔立ちをしている。
おそらく、普通の格好をしていれば普通に異性にモテる人なのだろう。
律儀にも半裸男は自ら申し出て、ばあちゃんの代わりに畑で草むしりをしている。
言動が少し突飛なだけで、悪い人ではないのかもしれない……饅頭泥棒の容疑者ではあるけれど。
食事の準備を終えて半裸男を食事に招くと、予想通り即座に一升瓶に手をかけた。
「酒はこれか?」
「…はい。ビールとかの方が良かったら……!?」
“メリッ”
瓶の王冠に人差し指を引っ掛けると、そのまま素手でめくるようにひっこ抜く。
「!?」
「これで良い」
(あり得ない、素手で!?牛乳瓶の紙のフタじゃないんだから……)
「あらあら、栓抜きあったのにねえ」
ばあちゃんはあくまで動じなかった。多分この人は、根っからの天然なんだろう。
「いただきます」
「いただきまーす……」
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