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「お祖母様……」
「え?」
先輩がぽつりと呟く。
(この人が、先輩のおばあさん?)
「申し遅れました。私、玲の祖母の八島幾(*1)と申します」
(お母さんじゃなくて、おばあさん!?)
目の前で真っ直ぐ立つ女性は、どう見ても孫がいるような年齢には見えない。
少なくとも、ウチのばあちゃんよりも20歳は若く見える。
「この度は玲がとんだご迷惑をおかけしました。本当に、お詫びの申しようもありません」
地面に膝と手ををつき、深々と頭を下げる。
「お祖母様、どうしてここに……?」
「ごめん、お嬢」
私達が入ってきた入り口の方の扉が、遠慮がちに開けられる。
「俺らが呼んだんだ……そのお兄さん滅茶苦茶つえーから、お前ら危ねえと思って…」
そこには私や先輩と同じ年頃の男の子と、20歳くらいの背の高い女の人が立っていた。
(*1)幾…いく
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