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お婆さんは半裸男と土地神様に向かって、深々と頭を下げた。
「……どうか皆様、今回だけ玲を見逃してやってください」
「え……?」
先輩が慌てて口を開いたのを遮って、お婆さんは話を続けた。
「お祖母様、私は……」
「誠に身勝手極まりない言い分とは、重々承知しております。
“病屍魔”の者が呪術を以てこのような不祥事を起こし、しかもそれが本家の者となると、我々がその元凶を断たねばなりません。無論、玲達には厳重に罰を与え、償いをさせます」
頭を床に付けたまま、しかし強い調子でお婆さんは言葉を続ける。
「しかし、今回の件を公とし、この子に社会的制裁を受けさせることだけはご容赦頂きたいのです。何卒……」
その気迫は、周りに口を挟ませない。
誰も、何も言えなかった。
「今回だけは、玲達が主犯だということを、黙っていてやってください」
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