第十ニ章 幕引き

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「…………」 室内を沈黙が支配した。 (社会的制裁って、要は警察沙汰のことだよね……) もし先輩達が法の裁きを受けるとしたら、何の罪に相当するのだろう。 ふと、そんな疑問が浮かんだ。 その前に、どうやって先輩の罪を立証するのか。先輩達は別に、無理やり皆を連れ去ってきたわけではない。 そもそも、この事件を社会的に、法的に裁くことなど可能なのか。 考えれば考えるほど、頭が混乱する。 土地神様はお婆さんに近寄ると、正面に膝をついてしゃがみこんだ。 「……どうか、顔を上げてくれないかい?」 穏やかな声で語り掛ける。お婆さんは床から頭を離し、土地神様を見た。 「道祖神様……」
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