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焼酎の大瓶を3本一気に飲み干しても、半裸男は顔色ひとつ変えない。
次々に、淡々と瓶を5本、10本と空にしていく。
初めはにこやかに見ていたばあちゃんも、大瓶が6本を越えてから心配そうに様子を伺っていた。
「シュテンさん、大丈夫かね?」
「ああ。もう無いのか?」
アルコール中毒を越えて、もはや人間離れしている。
「どうぞ」
栓を抜いてから瓶を渡すと、あっという間に飲み干してしまう。
ばあちゃんが台所から、鯖の味噌煮の缶詰めを持ってきた。
「良かったら、おつまみも……」
「ああ」
缶詰めを受け取ると、一口でぺろりと食べてしまう。
鯨飲馬食……そんな四時熟語が、ふと脳裏に浮かんだ。
「こんなに飲んで、本当に大丈夫なのかしら」
「さあ……」
大量の飲酒にも関わらず、半裸男は微塵も酔う様子を見せない。
30本目の焼酎(一升瓶)を飲み干しても、その勢いが衰えることはなかった。
瓶のウイスキー1本、缶ビール1本、日本酒を一升瓶で35本。
これだけの量を全て飲むのに、1時間もかかっていない。
(……この人、本当に人間なんだろうか?)
35本目の焼酎を空にすると、半裸男は机に瓶を置いた。
「馳走になったな」
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