115人が本棚に入れています
本棚に追加
「ざまあないね! いつまで見とれてんだい。鼻の下が伸び切っちまって、顎が地面についてるよ!」
物思いから醒めると、チームの紅一点が苦々しげな顔で立っていた。
「セリパか」
「帰った早々、今夜の獲物を物色かい」
「やはり肌慣れたサイヤの女が一番だからな」
セリパが目をむくのを心の中で面白がりながら、気づかないふりでバーダックは訊いた。
「トーマの具合は」
「やっとお目覚めさ。宿舎に戻ったよ。少し休むってさ」
「こんな時に散々だったな」
セリパはほんのり顔を赤らめた。次の任務までの間に、トーマと夫婦になる約束をしていたのだ。
「ところで、聞いたかい。カリフのチームが全滅した」
バーダックの隣で合成酒のグラスを傾けながら、セリパが口を開いた。
最初のコメントを投稿しよう!