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「まだ先の話さ。それに、あたしはチームから外されてこんな星でくすぶってる気はないね」
「はは。おまえらしいな」
グラスを空け、新たになみなみと酒を注いでから、バーダックはグラスの中で氷が溶けてゆくのを見つめていたが、やがてぽつりとつぶやいた。
「命じられるままに闘って、ガキを産んで、死んで……そのガキがまた闘って、 死んで――――その先にオレたちサイヤ人を待っているのは何だろうな」
「なんだい、バーダック。今夜はえらく感傷的じゃないか」
「ふ……かもな」
バーダックは射るような漆黒の瞳に深い輝きをたたえ、セリパを見つめ返した。
かつて一度だけ抱いたことのある女。そして、今は仲間の女……。
視線をもぎ取るようにセリパは顔をそらせ、立ち上がった。
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