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短髪をなびかせながら茶化すように口を挟んだ。
「バーダックは惑星ベジータにいいひとを待たせてるのさ。そうだろ、バーダック」
「またかよ」長身の男が呆れ顔で嘆息すると、後ろを飛んでいた丸顔の太った男が吹き出した。その脇を巨体を持て余すように飛んでいる男は、我関せずといった風で、口に含んだ携帯用食料を一心に噛み砕いている。
「へっ」バーダックと呼ばれた男は、答える代わりに片頬だけで笑ってみせた。と、同時に彼のスカウターが敵を捕捉し、警告音を鳴らす。
岩山の洞窟に出入りする人影が肉眼で見えた。向こうもこっちに気づいたようだ。数十人はいるだろう、固い甲羅に全身を覆われたこの星の住民たちが、大声で仲間を呼び集め、
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