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洞窟の中から引きずり出してきた対空ミサイルの照準を慌ててこちらにセットしている。
「行くぜ」バーダックは不敵な笑みを浮かべて言った。「祭りの始まりだ」
暗黒の宇宙空間を一隻の宇宙船が行く。
前方のスクリーンには、辺境であることを示すようにまばらな星々の姿が映っていた。
あと2回のワープで惑星ベジータの近くまで帰り着く。
フリーザさまの命令とはいえ、遠方の占領地の視察は骨が折れることだ。
紫色の肌をした長身の男は、端麗な顔にやや疲れの色を浮かべ、スクリーンを見上げた。ドアの開く音に振り向くと、一礼して部屋に入るなり素早く足元にひざまずいた部下が、拝顔するのさえ畏れ多いとでも言うように、うつむいたままでうやうやしく一冊のファイルを差し出した。
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