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「ザーボンさま、我が軍は順調に南方の星系に進出しつつあります」
男は受け取った書類を走り読みし、ある一点で目を留めた。薄い耳朶に下がった耳飾りがかすかに揺れる。
「予定より半月早いようだな」
「はっ、サイヤ人の登用が功を奏したようであります」
床に目を当てたまま答える部下に下がってよいと命じると、男は改めて書類に目を落とし、やがて顔を上げてつぶやいた。
「サイヤ人……か」
スクリーンに転じた目には、恒星のような光が一瞬またたいて消えた。
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