人の片鱗

2/33
前へ
/66ページ
次へ
小さな嵐と別れた後、レイは目的地に向かっていた。 目的地…それは街のはずれにある古びたビル―外壁のところどころにひびがあり 不気味。まるで廃虚のようである。 ここがレイの居場所。 正面玄関は板が数枚打ち付けられ、一般人の往来を拒む。 レイはいつものように裏口からビルの中へ入る。 昼でありながら中は薄暗く、まわりの壁には小さい穴、大きい穴が無数にあり、床には壁の破片が散らばっている。 「早く来い。任務だ」 低く凛々しい男の声がレイを呼ぶ。
/66ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加