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少年はゆっくりと起き上がり、声のする方を振り返る。
そこには制服姿の少女が立っていた。
チェックのスカートが軽く風にゆれ、白いブラウスが空の蒼さに映え、胸元のリボンが百合に止まった蝶のように見える。
「何でそんな所で寝てるの?」
淡く茶色いショートヘアを揺らしながら少年の居るところへ歩み寄ってくる。
無邪気であどけない表情を浮かべながら少年を見つめる。
見つめる瞳は汚れを知らず、空に負けないくらい澄んでいた。
「……」
少年は一瞬その瞳に吸いこまれそうになり、ハッとする。
「別に……」
ボソッと素っ気なく返答しながら少女から視線を逸らす。
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