Blueberry-gum

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  バスに揺られるなんて何年ぶりのことだろう。 駅から出発したバスは、悠希を乗せて山奥の終点を目指していた。 行き先が行き先だけに、どこの席にも座ることが許された悠希は、1番後ろの座席を広々と陣取っていた。 窓をほんの数センチ開けただけで、山間の停滞した冷たい空気が入り込む。 街をほんの少し離れただけの場所なのに、時々見える民家も広がる田園もタイムスリップしたように見える。  
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