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手を繋ぎ……
肩を寄せ……
知らない街をあいつと嬉しげに歩いた自分を思い出し、身震いがした。
極めつけのホテルでのことを思い出した途端、真由子は咄嗟に顔を手で覆ってしまった。
「ちょっとぉ、真由子~見てよ、これ。明日、逢う彼の写メよ!」
麗花がまた身を乗り出してくる。
眠らされて財布を奪われたことを思い出したところで、真由子は我に返った。
目の前に差し出された麗花の携帯の写メには、真由子が何より思い出したくないあいつが真由子を嘲笑っていた。
了
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