Over Action

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  冷めかけたホットミルクの表面に張った白い膜を、いつも通り指で掬いながら気付いた。 おもむろに立ち上がると、美由紀はマグカップを持ち1DKの狭い台所へと向かい、斑に錆びた流しにホットミルクをそのままひっくり返す。 (生まれ変わるには今までの習慣も変えてみなきゃね……) プロフィールの編集に初っ端から躓く理由を見つけた気がして、美由紀はほくそ笑むと、食器棚の中にあるインスタントコーヒーの瓶を取り出した。 一人暮らしを始めてすぐに買ったものだったが、どこが美味しいのか理解出来ないままで、誰に見られるわけでもなく食器棚の飾りになっていた。  
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