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牛乳のたっぷり入ったコーヒーを手にして小さな炬燵に戻ると、机の上で真新しいピンクの携帯電話が美由紀を待ち構えている。
その向こうには、傷み過ぎて痛々しいオフホワイトの携帯電話が所在なげに横たわっていた。
そちらに目を向け、胸の奥で少し、労りの言葉を掛けてやった。
(見捨てやしないから……)
昔の自分に同情するよりも、新しく生まれ変わる自分に今は集中したかった。
再び向かった携帯画面に、美由紀は手を休めることなく文字を打ち込み始めた。
【桃子】
【24歳】
【女】
【職業はひ・み・つ】
【実はactionは出戻りなんです
前に、変な人にしつこくされて退会しちゃいました
また楽しく過ごしたいので、良かったら絡んでね】
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