141人が本棚に入れています
本棚に追加
ランチメニューのデザートに申し訳程度に手をつけただけの、目の前の麗花を見遣る。
レモンティに付いていたレモンをささくれた指で摘まみ、口をすぼめて舐めている麗花の顔を改めて眺めた。
もっぱら、年甲斐もなく、若い男との恋愛話を恥ずかしげもなく、終始口元をゆるゆるさせながら話している。
そんな麗花の顔に煙草の煙をさりげなく吹き掛けてみた。
煙に顔をしかめることもしない。
内心、嬉しくて仕方のない麗花には、真由子のささやかな嫌がらせも通じはしないのだ。
最初のコメントを投稿しよう!