きっかけ

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暖かな春の陽気に包まれ、空は見渡す限りの青色が広がる昼下がり 屋上には二人の男女がいた 「一目見た時からずっと好きだった。付き合ってくれ!」 男は頭を下げながら右手を女の方にのばす ネルトン告白のようだ 「私は好きじゃありません。あなたのこと」 女ははっきりそう言うと予想外の回答にショックを隠せずうなだれた男を背に屋上から出ていった 女の名は北川美南。中3とは思えないほどの大人の魅力を振りまく女である 靴を履き替えた美南が校門に向かうと一人の男子生徒が目に入った 「健一じゃん」 先程まで笑顔を見せていなかった美南は初めてにこやかに笑った 「先生に呼び出し喰らって遅くなって、そこに美南がたまたま居たから一緒に帰ろうと待って居たの」 健一は下駄箱前のベンチに腰掛けながら言う ちなみに健一は美南の一つ下で中学二年である ちなみに付き合ってはいない
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