エピローグ

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この物語がエピローグから始まることは、自然なのだ。あいつはもういないから。 「小指」と呼ばれた男。 あいつは自分が死ぬべき理由を見出した。そして死んだ。世の中に絶望して死んだわけじゃない。あいつは世界を正確に理解し、死を選んだ。死を最後の選択肢としたわけでなく、最善の選択肢と確信して死んだのだ。 あいつと出会って一年、なかなか楽しかった。さて、そろそろ僕も死ぬとしようか。 人間は死ぬために生きている。ならば死ぬタイミングくらい、自分で決めようぜ。 北村孝一、 三木裕子によって 『勝手に』作られた僕。 せめて僕を壊す時は、 僕の意思で。
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