なぜ小指は曲がるのか

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さくは、コンビニに入り、コーヒー牛乳を手に取る。乳製品は嫌いだ。しかし選んだ。単に一番近くにあったから。 会計で店員が聞いた。 「ストローはお入れいたしますか」 さくは答えず、脇のストロー入れから一本取って、袋に入れた。 公園でコーヒー牛乳を飲む。おせっかいな主婦が聞いた。 「あら、昼間から公園で何してるの。学校はどうしたの?」 さくは無言でベンチから立ち上がり、何も見えぬかのように歩き出した。主婦は思わず道を譲る。さくはそのまま、どこかへ歩いて行く。 さくは、一人になりたかった。
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