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「鳥は、自らを天敵から守るため。そして、食料を確保するため。進化の過程で、羽を手に入れた。逆に、羽を手に入れ『鳥』となったやつらだけが、生き残った…そう言い換えてもいい」
さくは語る。
「この世界に生きるすべての生物は…環境に適応して、進化してきた。いや…環境に適応できたやつらだけが、生き残ったんだ。つまり、人間もそうだ」
少しずつ
遊園地のざわめきが
聞こえなくなる
「つまり、愛なんてものは。進化の過程で人類が手に入れた、能力の一つにすぎない」
さくの言葉が世界を
凍結させてゆく
「鳥は羽。虎は牙。生物に宿る武器。それが、人間の場合は愛。愛はそれ以上でも、それ以下でもない。わかるか?愛が至高の存在だなんて、真面目に言える奴は、愛の本質をまったく理解していない」
さくの知性が
絶対零度の鋭さで
アミに突き刺さる
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