自殺とロマン

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小指は大通りの手前で何か様子を伺っているようだ。ふと、小指の横を女子校生が通った。中学生くらいだろうか。セーラー服、黒髪に白い肌の可愛らしい少女だ。小指は少女に何か話しかけ、少女は静かに頷くのが見えた。 突然、小指が動いた。少女の後頭部を殴りつけ、口に布を差し込む。倒れた少女を担ぎあげる。 小指は平然と、気絶した少女を車の後部座席に詰め込んだ。 小指は運転席に座り、助手席の僕に笑って言った。 「さて、行こうか」 エンジン音。
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