大切な人

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(ここはどこ?) 私は周りを見る。滑り台、シーソー、砂場、見る限りここは近くの公園だと思った。 (あれは・・・) ブランコに一人の男の子が座っている。とっても悲しそう。 その男の子の近くに一人の女の子が来た。 (っ!!) その女の子は小学生の頃の私だった。小学生の私が男の子に話しかける。 「何してるの?」 返事が返ってくる 「遊んでるんだよ」 「一人で?」 「うん」 「私も一緒に遊んでいい?」 「駄目だよ」 遊びを断られる私。 なんで駄目何だろう。 「なんで一緒に遊んじゃ駄目なの?」 「一緒に虐められちゃうから」 私はわかった。彼は同じ学校の同級生に虐められていると言うことを。 「大丈夫だよ!ただ遊ぶだけだもん!あっちで遊ぼう!」 小学生の私が彼の手を引っ張る。私はついて行く。砂場で遊ぶことになったらしい。 「名前は、何て言うの?」 小学生の私が彼に聞く。 「遠藤和喜(エンドウカズキ)って言うんだ」 遠藤和希。女の子みたいな男の子。その名前を聞いた瞬間彼と居た日を全て思い出した。毎日学校帰り、公園で遊んでた。私の妹を連れて遊んだ日。私の友達を連れて遊んだ日。彼がギターを弾いたのを聴いてた日。 彼を虐めてる人達が公園に来て、私も同じように虐められた。けど彼が守ってくれた。そんな日もあった。 そして和喜は虐めが家にも知られて引っ越したんだっけ。その日公園で私は和喜に『大好きだよ』って言った。『俺も大好きだよ』って返事が帰ってきた。その後、下敷きを貸してと言われた。私は貸した。和喜は油性マジックで下敷きに文字を書いていた。『はい、勝手に書いてごめん』 大好きを、ありがとう。 と、書かれていた。私はどういたしまして、と言った。そしてまたここで会う約束をした。 その日から和喜はもう公園には来なかった。 私はしばらく和喜がいつも座っていたブランコに座っていた。 (かっちゃん・・・かっ・・・ちゃん・・・) 「起きろってば!」
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