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ゆ「…二人とも、どうしたんですか?」
空いてる席に着いて、会話が少なくなったなぁ、と思ったら、二人とも表情を曇らせている。
翡「…ごめんね、僕達のせいで。」
翡翠のこの一言で、その理由がわかった。
多分二年前を思い出したんだろう。
由宇へと浴びせられる罵声を。
…二人のせいじゃないのに。
ゆ「…大丈夫ですよ。」
表情は見せないまま、言った。
不安だったけど、気持ちは伝わったようで、二人に笑顔が戻った。
良かった。
ゆ「…二人には、笑顔が似合いますよ。」
俺がそう言うと、二人は今度は目を見開き、互いを見合った。
ゆ「…?」
俺が首を傾げているのに気づいた義孝が、言った。
翡「…二年前にいなくなった由宇も、似たような事言ってたんだ」
―…‥“皆には、笑顔が似合うの。…僕の事は気にしなくていい。だから、笑って?“
懐かしいと、笑う二人をみて、そうですか。と言いながら、
失敗したと、
強く後悔した。
もっと言動に注意しないと。
今の俺は、『林堂ゆう』なんだから。
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