第二話

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昨日早く眠ったからか、早めに目が覚めた。 二人には、料理が出来るから、朝食の心配はいらないと言ったが、朝食を食べるつもりは毛頭ない。 料理が出来るのは本当だが。 とりあえず、洗面所へ行き、洗顔と歯磨きをする。 その後、髪をスプレーで染めてその上からカツラを被り、黒のカラコンと黒縁眼鏡をして、変装完了。 カツラは由宇の時に使っていたカツラよりも、毛は長いものをしている。 それを洗面所でわざとボサボサにして、ゆうの出来上がり! クローゼットに仕舞ってあった制服を着る。 凜堂学園の制服は、スーツを意識した、黒いブレザーに学年ごとに色が違うネクタイだ。 俺の学年カラーは青なのでネクタイも青だ。 しばらくすると、二人が迎えに来た。 翡「おはよ!ゆう」 義「おはよう。」 ゆ「おはようございます。」 寮塔を出て、教室塔に向かって歩いていると、義孝が声をかけてきた。 義「朝飯は食ったか?」 ゆ「はい。」 義「…本当に?」 ゆ「はい。」 ごめん、嘘。 翡「まぁ、いいじゃん!今時朝ご飯食べない人なんていっぱいいるんだし」 良いこと言った翡翠! しかし、義孝はため息をついた。 本当にかわらないなぁ。 少し楽観的な翡翠と、心配性の義孝。 だからこそ仲良いという事もあるんだろうが。 ゆ「…ありがとうございます。」 俺がそう言うと、二人は照れた様に笑った。 ただ、俺の気持ちはこれからの事を思い、暗く沈んでいた。 .
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