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「―――――で――の為、―――」
校長の長い話が体育館に響く。
クラスは成績順なので、2のSだった。
昔勉強が苦手だった義孝も、翡翠も、同じクラスだった。
たくさんの奴が俺を嫌なものを見る目で見てくる。
だけど、二年前もそうだったし、別に気にしてない。
二人は、ちらちらと俺に心配そうな視線を向けてくる。
(大丈夫だって言ったのに…)
心の中で苦笑する。
すると突然、懐かしい声が響いた。
?「…静かに。」
熱が出たんじゃないかと思うくらい体温が上がった気がした。
なのに頭の中はやけに冷静で。
心臓がドクドクいってるのがわかる。
「続きまして、生徒会長の言葉。」
司会の声がやけにはっきり聞こえる。
ステージの上で“あいつ“が、堂々と立っていた。
先生が何回注意しても静まらなかった体育館が、こんなにも静まっている。
そんな中、あいつの声が再び響く。
会「生徒会長の鳳夏唯(オオトリ カイ)だ。新しいクラス、新しい部屋と、新しい事が一度に起こり、戸惑う事も多いと思うが、気を抜かずに頑張ってくれ。以上」
簡潔に話をした夏唯は、すぐにステージ上から下りた。
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