第三話

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夏「……おい」 -ビクッ- 由「あ、は、はいっ」 わざと怯えたように肩を震わせ、声は少し高めに。 イギリスにいた頃、色々とあって高い声を出す訓練をさせられた事があったのだ。 夏「中等部の生徒か?」 由「……あ…」 夏「何故ここにいる?ここは高等部の寮だぞ?」 由「……っ…」 震えた声にさらに体を縮こませる。 夏「フードをとれ。それと学年クラス名前を言え。」 夏唯は、そう言いながら俺が深く被っているフードに手を伸ばした。 -バシィッ- 夏唯の手を思い切り振り払う。 由「……っ!ご、ごめん、なさいっっ!」 少し驚いている夏唯の横を通り抜ける。 エレベーターまではそんなに距離はなかったが、エレベーターが来るのを待っている間に夏唯に捕まってしまうだろう。 俺は咄嗟に階段へと繋がる扉を開けて、駆け登る。 .
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