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……で、
(なんで追いかけてくるんだよー?!泣)
正直、まだ会う覚悟なんて出来てなかった。
演技には自信があるし、変装もしてる。
だがバレない保証はないのだ。
急いでポケットから携帯を出してリュウに電話をかける。
―プルル…
リ「おー。どした?」
由「ド、ドア、開けて!」
リ「??お、おぉ…」
俺の部屋がある五階からリュウ達職員の部屋がある十階へ一気に駆け登るのは、さすがにキツイ。
(―っやっと十階!)
急いでリュウの部屋を探す。
リュウはドアを開けていたので助かった。
俺は走ってる勢いそのままに、思いっきりリュウに抱き着いた。
リ「―ぅおう?!」
少しよろけていたが、ちゃんと支えてくれた。
リュウは夏唯の姿を見ると、察したのか、一度離して俺の両脇に手を入れて俺を抱っこした。
むぅ。
夏「―金城先生?」
リ「生徒に大人気の会長様じゃないか。どうしたんだ?」
リュウは茶化すかのように言った。
夏「―その生徒とは、どういうご関係です?」
リ「こいつは、俺のだ。」
夏「…………。」
リ「だからあんまり虐めないでやってくれるか?人見知りが激しいからな、怯えてしまう。」
俺は、リュウを抱きしめてる腕に力を入れ、リュウの肩に顔を埋める。
夏「…室内でフードを被っていたので不信に思っただけなのですが、怯えさせてしまったのならすみませんでした。」
リ「そうか。」
夏「…失礼します」
リ「おー」
夏唯が去って行ったのを確認した後、リュウに抱えられたまま部屋の中へ入った。
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