chapter1 突然・必然

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ピピピピッ 朝。 俺は目覚ましの音が嫌いだ。 定時に鳴り、俺に朝を知らせる。 めんどくさい。 俺はここで二度寝すれば、必ずと言ってもいい確率で起きない。 一度それで仕事に遅刻して、こっぴどく怒られた事がある。 それだけは避けたい。 その一心で、俺はベッドから立ち上がった。 「ん~」 思いっきり背伸びをして、俺はカーテンを開けた。 部屋は東向にあるので、朝日が柔らかく俺を照らす。 カーテンを開けた後は、いつもクローゼットにあるスーツを着る。 俺がスーツを着ていると、ドアがトントンッと軽快に叩かれた。 「お兄ちゃん、ご飯できたよ。」 凛とした声が、ドア越しに聞こえた。 その声だけで俺の憂鬱な気持ちは軽くなった。
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