chapter1 突然・必然

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「あぁ、今行くよ美崎。」 俺は慌ててネクタイを結んだ。 そして部屋を飛び出して慌てて階段をかけ降りた。 階段を降りてリビングを通過し、ダイニングへと向かう。 ダイニングへ入ると、味噌のいいにおいが俺を迎えいれた。 ここまでは普通の家庭である。 しかし俺達の違うところは・・・・ 「おはようお兄ちゃん。」 ダイニングにあるテーブルには、俺と美崎の二食しか用意されていない。 そう 俺達には両親がいない。 両親は俺が19歳の時に死んだ。 美崎はまだ中学生で15歳だった。 死んだ理由はよくある交通事故だ。 買い物の帰りに美崎を学校に迎えに行く途中だった。 反対車線から大型トラックが突っ込んできた。 救いは即死だったことだ。 苦しまずに逝けた。 しかし問題が残った。 妹の美崎が、自分のせいだといい始めたからだ。 「私が迎えに来てなんて言わなければ・・・・・・」とずっと繰り返し言っていた。 しかし俺の奮闘で最近は少しだけ落ち着き、今日からは高校生だ。
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