chapter1 突然・必然

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目の前には真新しい制服に身を包んだ美崎が、美味しそうに味噌汁を啜っていた。 「あっそうだ、ねぇお兄ちゃん・・・・・・・」 「どうした美崎?。」 「えっとね、今日の入学式来てくれるんだよね?。」 ジトッと俺を見てくる。 「心配するな。今日は休みを貰ってきた。だから入学式が終わったらなにか美味しいものでも食いにいこう。」 「ふぅ~、良かった。来てくれるか心配だったの。お兄ちゃんは警察だからなかなか休み取れないから・・・・・」 そう。 俺は警察を仕事としている。 まだまだ巡査で交番勤務だが・・・・・・ そんな事を考えていると、早々に食べ終えた美崎が皿をさげた。 「もう行くんだからさっさと食べてよね。」 ――― ―――― 「もうお兄ちゃん早く早く!。」 俺が靴を履いていると、ドアを開けて待つ美崎が急かしてくる。 「はいはい。」 俺は立ち上がって、靴をトントンと床で叩いた。 そしてドアを出る。 すると春の暖かさや匂いが、俺を包んだ。 「さぁ行こうか美崎。」 俺が歩き出すと、美崎は一歩後ろに着いて歩き出した。
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