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「グッ!」
突如走った重い痛みに僕は思わずお腹を抱えた。それにもかかわらず僕の前にいる男達は蹴ったり殴ったりを繰り返して来る。
ちなみに今はトイレでリンチ中。いつの時代だって話だよね。僕は抵抗できないんだから、堂々としてしまえばいいのに。教師の目の前でもないかぎり、僕を助けようなんて人はいないんだから。
「リリちゃんをいやらしい目で見やがって。気味悪りぃんだよ!」
それは君達も一緒だ、なんて口が滑っても言えない。言った瞬間、その手は僕の顔面を捕らえるだろうし。
いつも通り我慢だ。そのうち飽きるよ。
「今日は勘弁してやるよ。もう一度同じ事してみろ。ただじゃおかねえぞ!」
そう言うと、予想通りに男子生徒たちは引き上げていった。良かった、今日も堪えることができた。
殴られたときに落ちた眼鏡を、目を細めながら探し取り上げる。
あ、ちょっとフーレム歪んでる。
眼鏡をかけ直すと急に目眩がした気がした。今日は急いで帰ろう。そう思って僕は逃げるように学校をあとにした。
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