933人が本棚に入れています
本棚に追加
あー、痛いよ、もう。今日はいつもより念入りだった気がする。足なんかガクガクだよ。
僕は人気のない道を一人とぼとぼ歩く。
こっちの道は人や車がほとんど通らない。近くに大通りがあるからね。そっちに住宅も密集してるし、コンビニもたくさんある。
わざわざこんな薄暗い道を通ろうとしないんだ。
僕はリリちゃんの出る番組の録画をするためにできるだけ急いで帰ろうとしていた。
だから珍しく来た車に気づくことができなかったんだ。いや、そうだったとしても避けれるぐらいの間隔はあった。実際に避けようとしたしね。
でも今日ばっかりはダメだ。
飛びのこうと足に力を入れると、急に膝に激痛が走ってその場にしゃがみ込んでしまう。ああ、そういえば自分が今どんな状況なのか忘れてた。
だけどのんびり思い出す暇なんてない。
けたましく鳴るクラクション。
僕は立ち上がる暇もなく横から猛スピードで来たトラックに撥ねられた。
最初のコメントを投稿しよう!