撥ねられちゃった

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 僕は最期の力を振り絞り声が聞こえた方を見た。  正直視界が霞んでうまくは見えない。・・・・・・身長からいって子供だろうか。  何で最期に見るのがこんな子供なんだ。  でもまあいいや。助けてもらえないかな? 「うーむ、返答なしです」  そこは臨機応変に対応してほしい。返事なんかできるわけないよ。血まみれだよ僕。  と言ったそばから視界が真っ暗になった。もう子供の姿も見えやしない。でもまだ聴覚だけは生きてるみたいだ。 「ぬ、もしかしてやばいです?」  はい、ヤバいですよ。 「じゃあこれを飲ませるです」  何をしてるのかわからないけどゆっくりと頭を上がる感覚がした。次には無理矢理口が開けられた。  何してるのかな? 早く救急車呼んでくれないかな。  そう思っていると口に何かが入ってくる感覚がした。突然のことなので僕は咳込んで吐き出してしまう。  真っ暗闇の中でいきなり口に何か入れられたら、誰でも吐き出すさ。
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