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「あぁ……うん」
「「いいなぁ~」」
めぐとるかは羨ましそうに、キャピキャピと騒いでいた。
もちろん何度も『彼氏さんの友達紹介して!!』などこの2人に関わらず、いろんな人たちから頼まれる。
けれど、未だに紹介したことのない私を見て諦めているのか言ってこないようになった。
「………ハァ」
私は机に肘をつき、ボーっと窓の外を眺めながらため息をついた。
「なに、ため息ついてるのよぉ。この幸せ者!!」
「幸せすぎて怖いって奴!?」
「……べつにー」
私がため息をつくのは大抵、流千亜のこと。
流千亜は私を大切にしてくれる。
だけど愛してはくれない。
私はそんな流千亜に恋をしている。
叶わない恋だとはわかっている。
だからせめてそばに居たい。
いつも私は心の中で葛藤し、ため息が漏れる。
憂鬱だ。
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