―Smile―

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自分の無力を知った。 すごく、悔しかった。 サクはいつから他人に頼る事なく自分の力で生きてきたのだろう。 他人に甘えず、自分にも甘えず。 『コレで生活してるんだから』と言ったサク。 更に掛け持ちしていた事を思い出す。 生活の全ての費用を一人で賄っている者の発言。 当然ながら親からの仕送りで生活している自分。 否、当たり前と思ってはいけない。 とてもありがたい事だったのだ。 今更ながら思い知る、親のありがたみ。 俺は何も分かっていなかった。 店長にはサクの不調は教えなかった。 軽軽しく言ってはいけない気がしたのだ。 『居場所を取るな』と寂しそうに呟いたサク。 きっと、金銭面とは別の理由があって休みたくないのではないか。 そんな気がして誰にも何も言えずにいた。 この日もまた、俺は少し居残り作業をしていたのでサクとは帰れなかった。 結局、誰もサクの不調に気づく事なく店は閉店した。 その事実がまた、俺を寂しくさせた。 .
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