―Smile―

19/19
前へ
/34ページ
次へ
*************** 儚く、たくましく、今を生きる、雪みたいな女、広瀬朔。 彼女にも自分にも恥じない生き方をしようと決めた。 この数日間で俺の心は成長した。 友達以上、恋人未満の不思議な関係。 それがこの先、どういう風に形を変えるかは分からないけど、一日一日を後悔しないように生きる事にした。 大学に通わせてくれている親にも、将来の自分にも恥じないように、必死で勉強してテストに挑んだ。 そのせいか、テストが終了した時初めて達成感を味わった。 十日ぶりにバイトへ向かう足取りは軽く、勢いよく店の扉を開けて久しぶりの挨拶をする。 「おはようございますっ!!」 思ったより声が大きくなってしまい、注意される。 それも久しぶりで嬉しい。 にやけ顔が直らない俺の視界に映る人影。 サクだ。 「おはよう、サク。久しぶり」 「おはよう、ユキ。久しぶり」 サクはいつもと変わらない。 きっとこの先も。 極上の笑みを浮かべて、パンの匂いを漂わせながら…。 .
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加