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「お待ちしておりましたナナミさん」
彼の優しい声は静かな城内を響く
品のある雰囲気に私はピンときた。彼は一国の王子様だと
「ナナミさん、そちらの方は?」
「彼女はチヒロ。私の助手です」
私にお構い無しに話しを進めるナナミに茫然とする。しかも勝手に助手扱い
「宜しくお願いします。チヒロさん」
そう言いながら微笑むと、直ぐに真剣な表情を浮かべ
彼は深々と頭を下げ
「妻を、呪いから解放してやって下さい」
巻き込まれた私が真剣な彼の姿勢を見て何とかしてあげたい気持ちになった。
――――――…
ドンッ!
私の横を通り過ぎる箒は見事に壁に突き刺す。
巧みに箒を武器として使いこなす目の前の女性に私は唖然。
「な、ななみ、さん」
あまりの恐怖に掠れる声で、悠然と立つナナミに話しかけるが、容赦なく二撃目が繰り出された。辛うじて私は避ける。
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