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こんな問題を出された。
「お前さあ、あの子のどこが好きなわけ?」
そういってデミグラスソースのたっぷりかかったハンバーグを口に頬張りながら、クチャクチャと口を開いているのが、拓海。俺の同級生で、自分のことは一時間以上話続けるクセに、人のこととなると、いい加減になる、とんだ自分勝手野郎だ。
あの子、というのは、俺がずっと恋をしている女子のこと。高一の時から、高二の今まで、彼女のことを忘れた時は一度もない。
「どうでもいいだろ……そんなこと」
思わず口調がキツくなるのは、何故だろうか……わからないから?
そう、わからないのだ。
好きな所はいくらでも挙げられる。ずっと彼女を気にかけて来たのだ。好きなところなんて、山ほどある。
でも、始めに惹かれた理由がわからない。
自分をここまで惹き付けた物がなんなのか……それを考えても考えても、わからない。
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