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『テスト返却』
「はい、じゃあみなさんテストを返しますよー」
担任の市川舞子がテストを返し始める。
それを聞いてガバッと立ちあがる校長先生。ツカツカと教卓の横に並ぶ。
誰しもが理由がわからない。いったい校長になんの関係があるのだろうか。
「えーっ、校長先生なんの用ですか?」
舞子が不審がる。
「気にしないでいいのだよ。早く解答用紙を配るのだよ」
「はい……」
舞子が一人ずつ呼び付けて解答用紙を返却する。
「96点よ。頑張ったわね」
舞子は笑顔で生徒に接した。だが、その笑顔の横で、校長先生が用紙を覗きこんでいた。そしてにこやかな顔で生徒の頭を撫でる。
「いい子いい子」
なにやらリアクション係らしい。
次の子は60点だった。
校長先生は手で肩をポンポンと叩く。
「次はガンバるのだよ」
そして、次の生徒が東吾だった。顔はイケメンでも言わずともしれた馬鹿で有名だ。
「やべー16点。やっぱり、ムリ。こりゃ他の6教科も赤点だな--っ!」
ドゴッ。
校長先生が東吾のど頭に木刀を振り落とした。気を失った東吾に校長先生は言い放った。
「ならあと6発予約なのだよ」
赤点予想の生徒全員が逃げだした。
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