Part1&人物紹介

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『校庭の犬#リバース』  校舎付近を走る男子生徒たち。今日はマラソン大会の開催が決定していた。 「熱いよ~死んじゃうよ~」 「このままいくとミイラになんだろ~」 「いや、それはない。ただし熱中症で、今から俺が死ぬ」  という感じで生徒が語り会う。  犬が見えた。正門から入ってきたらしい。 「へへっワンちゃんだ~カワイイな~」 「幻覚じゃないよな」 「なあ、あれ追い返してさ、時間かせがないか。さすがに体育の鬼瓦も許してくれんだろ」 「いいなそれ、行こうぜ」  3人が周回コースから離れると、犬もまた近づいていく。相思相愛の仲のようだった。ただし、一方が徐々に不信感を覚え始めた。 「なあ、あの犬おかしくない?」 「確かに、よく見たらサイズが……」 「おわ、この犬でかいよー」  最初に1人が大声をだして逃げだした 「触手がでてきたー」  犬の脇腹からでた6本の触手が襲う。 「田代が捕まったー!!」  生徒が触手に絡まれる。巨大な犬の腹部がパカッと並んで歯がズラリと並んでいた。田代は走馬灯を見た。 「えー! 田代食われんの?」 小学生五年生くらいの人間が、飛び膝蹴りを食らわせる。 「校長が出てきた」  足で犬の首を締め上げている。 「やれー! オトセオトセ!! てか校長強すぎだろ」  巨大な犬が泡を吹いて倒れた。 「校長せんせい、ハアハア、ありがとうございます」  髪を後ろに結った白衣姿の女性生徒が頭を下げる。別の校舎から走ってきたようだ。 「いや、構わないよ。でもさ実験動物逃がしちゃダメなのだよ。科学部部長」 「はい、すみませんでした。今片付けますから」  複数の白い防護服を着た人間が、犬を大きな台車に乗せて運びだす。 「出したのは短い期間だったので、この辺りの汚染は大丈夫なレベルでしょう。たぶんですが……あっ数値がレッドゾーンになってしまっている」  意味不明だが、集まっていた男子連中が校外へ駆け出した。
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