プロローグ

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二人の男子生徒に言い寄られても返事はなく、悲しそうな表情のまま本から視線を外すことはなかった。 「おいっ!!何とか言えよ!!」 バチンと叩かれた反動で少女は床へと倒れこんだ。その光景に何か分からない怒りに葉月は大声で叫んだ。 「おい!!お前ら何して―――――」 キーンコーンカーンコーンと予鈴が鳴り響き、彼女の声を遮る。 手をあげた生徒は一目散に逃げていき、他の生徒たちもぞろぞろと図書室をあとにした。 残った葉月は、傍へ駆け寄ろうとするが足を止め陰に隠れた。 「大丈夫か?紫苑。怪我はないか?それにしてもひどい奴らだな」
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