プロローグ

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紫苑と呼ばれた少女を起こし、立ちあがらせた男は笑いながら頭を撫でる。 (あの人、ここの室長だったっけ。名前は確か・・・・・・、坂本・・・・・・) 必死に名前を思い出そうとするが男の声に遮られてしまう。 「そこに隠れてる奴、早く教室に戻らないと担任に怒られるぞ」 いきなり話しかけられた為、柱の影から出ると頭を下げ、教室へと走った。 その後担任に怒られたのは言うまでもない。 昼休み―――――。 上の空でぼーっと外だけを見つめる彼女に、友人が声をかけるが聞こえるはずもなく。 諦めてため息をついた友人に、葉月は勢いよく立ち上がった。
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