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落ち込む少女に、ハッと我に返ると袖が捲られた方の右腕へと手を伸ばす。
すると葉月はパシンと少女に手を弾かれる。
紫苑は無意識とはいえ袖が捲られた腕で弾いたため慌てて袖を下ろして隠す。
「隠さずに見せてみろ。」
「や、やめて下さい。離して・・・・・・あっ」
袖で隠した腕を掴むと無理やりに捲る。
「何だよ・・・・・・。この傷跡の数・・・・・・」
目を見開き、彼女が見たものはカッターで切った生々しい傷跡の数々だった。
「・・・・・・・・・・・・・」
顔を伏せぽろぽろと涙を流す紫苑に、葉月はそっと傷だらけの腕を撫でる。
「古い傷に、新しい傷まである。私でよければ相談にのるけど?」
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