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少しずつ肌寒くなり始めた頃。
ダムダムとボールの弾む音が体育館に響き渡る。きゅっとバッシュの音が聞こえたかと思うと、手から放たれたボールは綺麗な弧を描き飛んでゆく。
リングに入り、重力に従って落ちるとまたダムダムと音とともに、ボールが弾む。
「おー、朝早くから頑張るな」
一人の生徒の声が聞こえ、ゆっくりと声がした方を振り向いた。
「朝は誰もいないし、ゆっくり練習できるからな。それより翔輝、今日は早いんだな」
翔輝と呼ばれた彼は、そいつにとっていわばバスケ仲間である。
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