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私はそのままベッドへと倒れこんだ。
見慣れた天井が目に入る。
こうして二つの世界を生活している。
名を変え姿を変え。
でも私が生きている場所は闇。
裏の世界にいる私が本当の私。
「本当の私はどこにいる。私は誰。」
私はただの小娘に過ぎない。
二十五歳にもなっていない私が組織の上に立っている。
そんな私が道を誤らずに進んでいけるのか。
闇の中の月のように道を示すことが出来るのだろうか。
「力に溺れることなく、進んでいけるだろうか。」
右手を伸ばしたところで何も掴むことは出来ない。
こんな小さい自分に何を掴めるだろうか。
そのときパソコンにメールが届いた。
音を聞きベッドから起き上がり確認する。
あまりにもタイミングが良すぎて笑みが零れてきた。
『ルナ、お前のことだから余計なことを考えていると思ってメールした。気にするな、いいな。わかったな。』
「ありがとう、シエル。」
するとまたメールが届いた。
本当にこれには笑うしかなかった。
『愛しいルナ。一人で悩んでいるんじゃないかと、心配だよ。一人で悩むくらいなら、俺に電話でもして欲しいなぁ。ルナのためならいくらでも時間を空けてあげるからね。』
「ありがとう、ベルナルド。本当に私はみんなに甘えてる。ありがとう。私は大丈夫。一人じゃないもの。」
三人は私と同じアンダーグラウンドの四天王だ。
同じ立場に立っている。
だから見えるものがある。
「私はシルバームーンのルナ・シルビアなんだもの。」
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